恋バナ 後編



 八月五日は朝から町内の防火訓練だった。どこの町でもそうだが、参加するのは女子供と年寄が主である。しかし疎開が進み、ここら辺の住人はめっきり減っていた。残っている家も小学校の上級生は学童疎開に行き、それより上の学生は勤労動員で工場などに駆り出されているので、防火訓練に出てこられる人数は寂しいかぎりである。
 一宿一飯の恩と言おうか、郷に入りては郷に従えと言うべきか、移動劇団員で手の空いている者は、滞在先の町内会の行事になるべく参加することにしていた。と言うわけで容子も住人達に混じって防火槽から水を汲み、火に見立てた板の的に当てていたが、実際の空襲でこんなことは役に立たないと、身を持って知っている。
 焼夷弾はあっと言う間に辺りを火の海にする。舐めるようにと言うが、それは決して大げさな表現ではなく、炎の舌が一瞬にして家や人を舐めとって、見えない腹に収めて行くのだ。バケツ一杯の水などものともしない。それ以前に水を汲む暇を与えず、バケツを手にする意識も奪い去る――三月十日に東京で経験した空襲を思い出すと、防火訓練が虚しくなる容子だった。
「ヒデちゃん、具合悪いんじゃないん?」
 機械的に訓練をこなす容子は、誰かが誰かを気遣う声を聞いた。その方向を見ると声をかけられていたのは英治だった。おかみさん連中に囲まれた英治は恐縮した風にあちらこちらに頭を下げ、訓練の輪から外れた。次にそちらを見た時には彼の姿はなかった。
(そう言えば、集合した時から顔色良くなかった。健康な人だって辛い暑さだもの)
 額に滲む汗を手で拭い、容子は恨めしそうに晴天の空を見上げた。
 それからしばらくして訓練が終わり、集まった人々はそれぞれ家路につく。劇団員も宿舎へと歩きだした。ふと、前方を行く小学生三人組の小さな背中が容子の目に入った。
「ヒロちゃん」
 名前を呼ばれて弘之が振り返る。容子だとわかると、彼の口元がへの字に曲がった。容子に手招きされ仕方なさげに駆けてくる。一緒だった他の子供が「後でなぁ」と言って分かれて行った。
「お兄さん、どうしたの?」
「知らん」
 訓練で弘之は英治のすぐ隣にいたはずだが、実に素っ気ない。
「顔色悪かったよ? 朝から具合が悪かったのじゃない?」
「じゃったら家で寝ておったらええんに」
「ヒロちゃん?」
 弘之は一層口元を引き締め、容子から目を逸らした。
「どうせ訓練に出て来ても役に立たんのんじゃけぇ。おばちゃん達の方が力つよいし、恥ずかしいだけじゃ」
「ヒロちゃんはお兄さんのこと、恥ずかしいの?」
 きつくなってきた日差しで首筋に汗が生まれては、胸に向かって伝い落ちる。弘之の坊主頭も汗で光っていた。容子は彼の手を引いて日陰に入り、目線を合わせるために目の前に腰を落とした。
「なぜ恥ずかしいの?」
 弘之の目線は瞬きの度、右に左にと変わる。やがて目の前の容子に定まると、引き結んだ唇が動いた。
「カツやんのシン兄ちゃんも、ミツオんとこのイチロー兄ちゃんも、立派な兵隊さんになって、お国のために働いとるんに、兄ちゃんは『あっちが悪い、こっちが悪い』って店番しとるだけじゃ。本読んだり、作文したり、みんなアカじゃないかって陰口叩いとる」
 小さな手は拳を作って握り込まれた。
 この子は兵隊になれない兄を恥じているのだ。兵隊となって戦場に行き、無事に帰ってくるとは限らないことを知っているのだろうか。
「戦争に行ったら、お兄さん、死んでしまうかも知れないのよ?」
「お国のために死ねるんだから、名誉なことだよ」
「二度と会えなくなるのよ?」
「靖国に行ったら会える。死んだら軍神になって祀られるけん」
 『死』の意味がわかっていない口が、名誉の死を語る。
「そうね。魂は帰ってくるかも知れないわね。でもね、お兄さんのあの優しい声は聴けないのよ? 話しかけても返事はないのよ? それでもいいの?」
 弘之は言葉に詰まった。容子の例は『死』に具体性を持たせ、幼い彼に漠然とした不安を抱かせたのかも知れない。
 容子は言った後で、大人げないと思った。しかし『死』を名誉だなどと簡単に言って欲しくなかった。大切な人間を失う悲しさをわかって欲しい。命は取り返しのつかないものだとわかって欲しい。
「私の大切なお友達も戦争に行っているの。本当は行って欲しくなかった。だから絶対生きて帰って来て欲しいと思ってる。二度と会えなくなると、とても悲…」
「姉ちゃんは非国民じゃ!」
 弘之はそう言うと駆け出した。
「ヒロちゃん」
 呼びかける容子の声に振り返らず、眩しい光の中にやがて姿を消してしまった。




『八月五日
 あんな小さな子まで「お国のために死ぬことは名誉」って口にするのよ。
 なんだかとても悲しくなった。
 こんなことを書くと不謹慎かもしれないけれど、私はあなたや尚之さんには、どんなことがあっても生きて帰って来てもらいたい。
 弾に当たらないように、逃げ回ってもらいたい。
 その気持ちを非国民と言うのなら、その気持ちを否定する人たちは人非人だと私は思うの。
 あなたにきっと「容子は過激だな」と言われてしまうわね。』
 昼食の後片付け、洗濯物の取り込み、仲間と次回演目の確認などをして、容子が自分の時間を取れたのは午後三時半になっていた。いつものように張り出し窓に座って帳面に書きつけるが、午前中の弘之とのやり取りと、駆け去って行ったその背中を思い出すと、やりきれない気持ちになった。同時に子供相手にムキになったと反省する。
 通りの向かいに小松提灯舗が見えた。
(英治さんの具合はどうかしら)
 弘之のことも気になる。容子は英治の店を訪ねた。
 店には英治と弘之の父親が、出来上がった小さな提灯に文字入れをしているだけで、二人の姿はなかった。
「こんにちは。可愛い提灯ですね。何かあるんですか?」
「隣町の地蔵盆用で」
 逼迫した戦時下で夏の催しの類は自重する傾向にはあった。
「たいしたこたぁ出来んがね」
 しかし今年に入って米軍の空襲は激しくなり、戦場以外でもたくさんの人間が亡くなっている。大本営が国民の気持ちを乱す情報を巧みに隠ぺいしてはいるが、それにも限界があり、近くの市や町で空襲があれば、人の口を通じて伝わっていた。
 亡くなった子供達の魂を慰め、生きている子供達の安全を祈念したい。灯火管制で提灯に灯入れは出来ない上に本来の規模ではないが、隣町は地蔵盆を行うことにした。この辺りもささやかながら地蔵盆を行うが、提灯は新調せず、破れなどを修繕するだけなので、これが終わったら取りかかるのだと言う。
「子供達、喜びますね」
「楽しみものぉたら、やってらりゃぁせんけぇね」
 材料調達に苦労したため遅れが出て、明日朝一番の納品間際までかかりそうだと彼は首をぐるりと回した。それでも久しぶりに本来の仕事が出来ているせいか、その顔には疲れとは違う表情が見て取れた。
「英治さん、いかがですか? 具合がお悪そうでしたけど」
「二階で寝とるよ。ああ、降りてきた」
 踏板の鳴る音がしたので見ると、英治が降りてきた。
 父親の「大丈夫なのか?」に「ずい分、楽になった」と答えたが、顔色は血の気が失せて、細い顎が一層細く見えた。
「町会長さんとこで修繕の分、受け取ってくるよ」
「そがなんは明日でええ。動けるうちにヒロ連れて、いね」
「ちぃと手伝うよ」
「ええから。明日の店番の方が大事じゃ」
 父親にそう言われて、英治は帰る支度を始めた。
 英治は駅にはまっすぐ向かわず、弘之が水遊びをしている中州の川辺に迎えに寄ると言うので、途中まで同行することにした。
「身体、本当に大丈夫なの?」
「暑気あたりだと思う。体力ないから、すぐに疲れが出てしまう」
 健康な人間でも食糧事情の悪さと夏の暑さで体力が落ちる。病身の英治が堪えるのは当然だ。夕方に差し掛かったとは言え、まだまだきつい日差しを容子はうらめしく感じた。
「訓練の時、本当に具合が悪そうだったものね」
「みんなに心配かけてしもぉて申し訳ない言うか、恥ずかしかったなぁ」
 英治は頭をかいた。
 恥ずかしいと言う言葉で、容子は弘之との朝のやり取りをあらためて思い出した。幼い子供相手にムキになったこと、それで弘之を怒らせてしまったことを、英治に話した。それを聞き、英治は「いいや」と首を振る。
「弘之はまだ子供じゃけぇ、こちらこそ許してやって」
「ううん、許すも何も、考えてみれば物心ついたくらいからずっと戦争しているのですもの。大人だって感化されているのに、子供がそう思ってしまうのは仕方がないわ」
 逆に英治に頭を下げられ、容子は恐縮した。
「でもね、英治さん、私はやっぱり生きていて欲しいの。生きて帰る努力をして欲しい。待っている人がいるんだもの。名誉の死だなんて、きれいごとだわ。戦争は惨いものなのに」
 容子の脳裏には、東京でのあの夜の光景が蘇えっていた。
「だからつい大人げなく言ってしまったのよね」
 誰にも話せないと思っていた気持ちを口に出してしまい、容子は英治の反応を恐れた。他の大人達とは違って見える彼から、「そんなことを言うものじゃない」とたとえ建前にせよ否定されると辛い。
「みんな口じゃぁ『お国のために死んで来い』と送り出しても、本心から言っとる人は一人もいないて思う」
 しかし英治は恐れた反応で窘めなかった。容子の足が止まり、それに気づいた彼も立ち止まる。
「どうかした?」
「わかってくれる人がいるのって嬉しいの。そうよね、本当に死んで来いって思う人なんていないわよね」
 目頭が熱くなった。一昨日、英治から誰かに宛てて日記を書いたらどうかと助言を受けて以来、容子は信乃夫を頻繁に思い出してしまう。無事でいて欲しいと一層思うようにもなった。涙腺が比例して緩くなっているのだ。何か話さないと、涙が零れてしまう。
「誰かに宛てて書けば良いと教えてもらって良かった。さっき早速やりきれなさを書いてしまったの。おかげで少し気持ちが軽くなった」
「うん、わかるよ」
 再び歩き出したのと英治の肯定に、辛うじて涙は零れる前に引っ込んだ。
「英治さんはそんなこと、書かないでしょう?」
「僕だって書くよ。容子さんと同じで、絶対生きて戻って欲しいし、無駄死になんてして欲しくない。ほんでも検閲があるから手紙にゃ書けんし、もし書けたとしても、置かれた現状を思い知らせとぉないから」
 英治は遠い目をした。戦場にいる幼馴染のことを思い出しているのだろうか。
 彼から幼馴染の話を聞くと、容子は信乃夫と尚之のことが思い出された。
「男同士の友情って、結びつきが強いものなのね」
 二人は音楽学校からの付き合いで、英治達のように長い年月を過ごしてきた間柄ではない。しかし知り合った月日がさほど変わらないはずの容子が壁を感じるほど、二人の友情は深かった。
「私が想う人にも無二の親友がいるの。何も言わなくてもお互いのことがわかっている風で、私の入り込む余地なんて少しもなかった。三人でいる時はちょっぴり寂しかったわ」
 言った後で、容子は思わず赤面する。
「嫌だわ、想い人だなんて。恥ずかしい」
「人を想う気持ちは元々は同じもんじゃないかな。相手が親兄弟なんか、友達なんか、異性かで呼び方は違うけど、大切な存在ゆぅことに変わりはなぁで。じゃけぇ恥ずかしがることない」
 英治は穏やかな口調で言った。目線が下がっていた容子の視界に、風呂敷包みを持つ彼の手が入る。その手にほんの微かな力が入っていた。包みは英治の私物で、中にはおそらく日記も入っているはずだ。
「英治さんってやっぱり大学の学生さんね。考え方が豊かだわ」
「休んでばかりじゃけぇ大学生ゆうなぁおこがましいよ。容子さんこそ感受性が強くて、公平で広い心の持ち主じゃぁないか。さすが芸術の世界の人なんじゃなといつも思うとる。そがぁな容子さんに好いてもらえる人って、よほど素敵な人なんじゃろね? いつかおおてみたいよ」
「まだまだ先になるかも知れないけれど、戦争が終わって無事に帰ってきたら、みんなでまたここに来るわ。信乃さんも尚之さんも、きっと英治さんと馬が合うはずよ。もう一人鼎君と言う下級生がいてね、私達四人で慰問団を組んでいるの。自慢じゃないけれど、そんじょそこらの楽団よりも上手くてよ」
「それは楽しみじゃなぁ」
 容子は思い出したようにズボンのベルト通しに結わえ付けた巾着を外した。中から色鮮やかな縮緬を表に張った懐紙入れを取り出す。
 それには懐紙ではなく写真が入っていた。海軍の制服を着た信乃夫が写っている。容子の想いを知る数少ない一人の下級生の高柳鼎が、自分のところへ送られてきたものを譲ってくれたのだ。
 容子はそれを英治に見せる。
「容子さんは面食いじゃったんじゃの」
 写真の信乃夫は、宝塚少女歌劇団の男役のごとく美しい二枚目で、英治は感嘆の言葉を漏らした。
「こんな格好をしているからよ。普段はボサボサ頭で、貧乏文士みたいなのよ。これは特別。英治さんのお友達のお写真はないの?
「探せば家にあるて思うけど、どうかな」
 英治の『日記の君』はやはり幼馴染ではなく別人であり、そしてその人は、英治が本当に心から大切に想っている人なのだと、容子は思った。何かの事情――おそらく疎開で遠い田舎に越してしまったのだろう。もしかしたら容子同様に片想いしていて、手紙のやり取りをする仲ではないのかも知れない。
『戦争が終わったら、ぜひみんなで来よう。私の想いがあなたに伝わらなくて、恋が成就しなくても、英治さんに「この人が私の好きな人よ」って紹介したいの。その時には英治さんの「日記の君」も疎開先から帰って来ているかも。きっと紹介してもらわなくては』
 
 




『八月六日
 明け方に一雨あったようだけれど、起きたらすっかり道は乾いていて、日差しがとてもきつく、朝からもう暑い。艦(ふね)の上は海上を渡ってくる風が涼やかなのかしら』
「おはようございます。あら? 今日は英治さんお一人?」
 宿舎の前で打ち水をしていると、出勤してきた英治と出くわした。
「おはようございます。父さんは泊り込みで、たぶんもう納品に出かけたんじゃないかの。ヒロは熱を出してしもぉて」
「それは心配ね。英治さんも顔色が良くないわ?」
「僕はいっつもこがぁなで。それに八時半にお客さんが来ることになっとるから、誰か店にいないとね」
「そう。無理はしないで。一人では寂しいでしょうから、後でお邪魔するわね」
 茶目っ気たっぷりに容子が言うと英治は笑って手を振り、道を渡って行った。ちょうど打ち水を終えた容子は、バケツと柄杓を所定の場所に戻し、家の中に入ろうとした。
「容子さんったら、すっかり向かいの若旦那と仲良しなのね。怪しいんだぁ」
 容子と英治のやり取りを見ていたらしい劇団員が冷やかしの声を上げる。
「違うわよ。英治さんはとっても気安い人なの。和子さんも後で一緒に行きましょうよ」
「えー、そんな恥ずかしいよ。それにお邪魔じゃないの」
 華やかな笑い声を背に、容子は屋内に入った。
 風を通すために広い玄関の観音開きの扉は開け放たれている。振り返った容子は中と外の明暗の差に目を眇めた。
(今日も暑くなりそうね。でもお布団はよく干せるから助かる)
 せんべい布団も日に干せばふかふかになる。容子はみんなの布団を干しに二階へ上がろうと階段に足をかけた。
 その時――
 
 




「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」
 抑揚のない、感情を押し殺した声が流れている。容子が初めて聴く声だった。補充として副団長が東京から連れ帰った団員だろうか。だとしたらこれは新しい芝居のセリフと言うことか。
 それにしても何て難しい言葉を使うのだろう。音楽ばかりに熱心だった容子には、半分も理解出来ない。
(英治さんならわかるかしら。後で聞いてみよう)
 意味がわからないと言うのに、この『セリフ』を聞くうちに呼吸が楽になってきた。高熱と身体中を苛んでいた痛みが引いて行く感覚――それで思い出した。ここは広島ではなく劇団宿舎でもないと言うこと、広島で空襲に遭い、命からがら倉敷の実家に帰ったことを。
 ではこれは誰の声なのだろうか。「誰?」の一言が、喉から出ない。大きな塊が声帯を塞いででもいるかのようだ。
「容子、聴こえるか? 戦争が終わったんじゃよ。陛下が、戦争が終わったとおっしゃっとるんじゃ、聴こえとるか?」
 耳元で父の声がした。父だと思う。瞼が重くて、容子は目を開けられなかった。
(この声は天皇陛下のお声なの? 戦争が終わったって本当なの?)
「終わったんじゃ」
 声が出せていないのに、父が答えてくれた。
(そう、終わったんだ)
 ますます身体が楽になった。動かないには変わりがないが、何かの力に押さえつけられていた感覚は消え去り、両手を翼のように羽ばたかせたら浮いてしまいそうだ。身体が回復してきたのかも知れない。
(みんな帰ってくるわね。信乃夫さんも尚之さんも。またみんなでトリオ、ううんカルテットを組んで歌えるんだわ。私も早く良くならなきゃ。早く身体を治して、レッスンしなきゃ。今は声が出ないけど、大丈夫、レッスンしたらすぐに、すぐに)
 容子は深呼吸した。新鮮な空気が鼻腔を通り、異物で塞がれた気管を通り、肺を満たす。こんなに空気が美味いと感じるのは久しぶりだ。
 遠くで父母が自分を呼んでいる。
 容子は「はい」と答えた。容子は確かに自分の声を聴いた。
 そして何も聴こえなくなった。




 一九四五年八月十五日――戦争が終わり、容子はやっと何もかもから解放されたのだ。
 
 




(了 2014.08.23) 



 
 <参考文献>
 櫻隊全滅―ある劇団の原爆殉難記(江津萩枝著 未来社刊)
 さくら隊散る(新藤兼人著 未来社刊)
 気象庁(過去の気象データ)
 ヒロシマ新聞 http://www.hiroshima-shinbun.com/top.html
 方言変換道場 http://www.mitene.or.jp/~hiro3/word.html
 ウィキペディア関連ページ 他
 
 


※この作品の登場人物は、『その花の名は「思ひ出」』以外の
 八月シリーズ作品に登場しています。
 容子=『永遠の音楽』関連
 英治・弘之=『空はどこまでも青かった』関連



                           

 
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