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「彼が恋しい」

アメリカの連ドラ『コールドケース』のシーズン4 第79話相棒でのセリフです。
言った本人は元警官(男)、「彼」とはコンビを組んでいた元同僚で1968年に殉職した警官です。
このセリフを聞いた瞬間、涙腺、緩んじゃったよ、私。
『コールドケース』では同性愛絡み(男同士も女同士も)の事件がチラホラ出てきて、それが結構、切ないんですよ。
と言うのも、ゲイがまだまだ世間的に認められてなくって、隠さなければならなかった時代背景だったりするからです。
秘匿する恋愛って萌えます。
『コールドケース』は事件があった当時に流行っていた歌を使うので、曲の著作権的にDVD化は難しいらしいんですよね。
なので、ご覧になれない方、なっていない方もいらっしゃるかと思いますので、この第79話だけ超ネタバレなあらすじを載せます。
興味のある方は「続きを読む」からどうぞ(長いので覚悟してください)。

その前に、拍手、ありがとうございます♪

続き

■あらすじ■
殺人課未解決事件担当の元に、老いた囚人から「釈放を条件に40年前の警官殺しについて情報提供したい」との連絡が入る。
曰く、1968年にパトカーの中で射殺された若い警官・クープを、警察が来る前に発見したのは自分で、その時、助手席には麻薬の塊の入った袋があった。それを「頂いて」帰ったので通報も証言しなかったとのこと。
殉職したクープは女癖(よくもてた)は悪いものの有能な警官だったが、その情報により実は不正警官で、麻薬取引絡みで殺されたのではないかとの疑惑が持ち上がり、再捜査が始まる。

コンビを組んでいた元同僚のジミーとその別れた妻、元巡査部長であるクープの父親、元上司の警部補・マクリーなどなどの証言を取りながら再捜査が進む中、さまざまなクープ像が出てくる。
女ったらしで恐いもの知らず、ケンカっ早く犯罪人には容赦がなかった、正義感があり当時警察内で横行していた犯罪逃れの収賄を許さなかった等々で、町の悪党たちには恨みを買い、収賄に関わっている上司・同僚からは煙たがられていたことが次々とあきらかに。
また当夜、クープは偽の強盗事件情報を警察無線で受け、現場に向ったことが判明する。
当時、警察無線は人手不足もあって警官達が交代で行っていたことから、内部犯行説も浮上する。

元上司の警部補からは、コンビを組んでいたジミーの妻と関係があったとの証言が得られた。ジミーは相棒でありながら事件当夜、一緒にパトロールしていない。
妻を寝取られたジミーの犯行の疑いが挙がり元妻のもとに向った捜査官達は、彼女から「自分とではなく夫と関係があった(仕掛けたのはクープ)」と聞く。
また対立していた元同僚・マーフィーからも、クープとジミーの秘めた仲についての証言が取れた。対立していたものの二人の仲が知れると大変なことになると心配したマーフィーが、クープの父親である巡査部長に忠告したこと、また無線の偽情報が巡査部長だった父親から出ていたことがわかる。

父親に話を聞きに行く捜査官。
世間体を重んじる同じ警察官の父親はクープを説得、ジミーとのコンビも解消しろと迫るが聞き入れられなかったので、上司のマクリーに相談。話をするから(射殺現場となった場所に)呼び出すようにと言われ、偽の強盗情報をクープの無線に流して向わせたこと、息子を射殺した犯人が上司であることを知りつつ沈黙したことを聞き出す。
元上司のマクリーは、何かと反抗し、不正を嫌うあまり将来的に自分の命取りともなりかねない存在のクープを疎んで殺したことが判明し、未解決だった警官殺しの事件は解決した。
(細かいところは違っているかも知れませんが、だいたい、こんな話です)

で、「彼が恋しい」のセリフはどこで使われたかと言いますと。

元上司・マクリーの犯行説がクープの父親によって浮上した時、捜査官達は当日、なぜ相棒でありながら一緒に行動していなかったのかジミーに問い詰めます。
その夜、クープとパトロールに出ようとしたジミーは、マーフィーから二人の関係を知っていると匂わせるようなことを耳打ちされ、家庭を持っていた彼はそこで腰が引け、新人教育があるから今夜は行けないと言う理由と別れを切り出し、一緒に行動しなかったのでした。
クープはいつも、生涯でただ一人の運命の人、一生出会えないかも知れないその人と出会えて「俺達は幸せだ」と言い続け、最期の瞬間にもその言葉を無線の向こうにいるジミーに遺しました。
世間体に負けてクープと別れることを選んだジミーですが、40年を経た今もその言葉を忘れらず、また事件の再捜査で当時の幸せだったことも辛かったことも思い出し、どれだけ互いを想っていたか痛感します。
そこで出てきた言葉なのです~。

『コールドケース』では毎回最後に、事件当時のヒット曲と共に事件に関わった人々の当時と現在の姿をフラッシュバックさせ、死亡した被害者も姿を現す構成になっています(ただ佇んでいるだけ)。
被害者の姿を見るのは主人公の刑事や捜査関係者が多いのですが、時々、被害者に深い関わりのあった当事者の場合もあり、今回はジミーがクープの姿を見ます。
その場面ではジミーも若い姿に戻って、パトカーの上で手を重ね合うんですよ。
微笑み会う若い二人の姿はすぐに消え、後には現在の老いたジミーだけが残り、物語はエンドしていくわけなんですが。
泣ける~。

ながながお付き合い頂き、ありがとうございました。
てなわけで、すっかりこの一話にハマって、何度も何度も見直し、萌えを反芻しているので、推敲がすっかり亀ペース(いつものことだろうけども)。
今夜、これからまたぼちぼち頑張ります。

コメント一覧

非公開 2010年11月24日(水)03時34分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

紙森 2010年11月24日(水)18時42分 編集・削除

■H様
萌えを感じて頂けましたか、がっつりと(笑)。

>ジミーが40年もクープの言葉を忘れられないところとか、年老いた現在になって想いを痛感してしまうところとかが、見事にツボにはまって切ないです(;へ:)

きっとね、再捜査がなかったら、ずっと一人で胸の奥底にしまっていて、そこまでの想いだったとも気づかず墓場まで持って行ったのだと思います。切ないけど、口に出してやっと「彼が恋しい」って言えたことは、結果的に良かったのかなぁなんて、萌え全開で思っています。
ご覧になったらきっと涙が決壊すると思いますよ。『コールドケース』はゲイネタであってもなくても、毎回、泣きどころがあるんです。そのうち、民放の夜中とかでするかも(以前、シーズン1とか放映してましたから)。

>長い期間蓄積した(燻っていた)気持ちが昇華するパターンに弱い気がします(笑)。意識的でも無意識的でも、抑圧されていた気持ちが何かのきっかけで表出する(=制御できなくなる)、それを自覚して想いの深さに気がつく、というのが大好物っぽいです。

私もです! 秘匿しなきゃならなかったり、忍ばなければならなかったりってのに、逆にエロスを感じたりするんですよ。
だから、あんまりオープンに出来なかった時代を舞台にしたのとか萌えます。

>萌えの反芻!ウケました(笑)。なんだか字面から萌えに対する貪欲さが伝わってきて(?)小気味いいです。

萌えには貪欲ですよ~。それが私の創作のベースなので、どんどん萌えないと進みません(笑)。でも自分の萌え重視なので、結局、同じような雰囲気になっちゃって。筆って正直だ(笑)。
コメント、ありがとうございました♪

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