あとがきのようなもの。


 『紳士は恋で作られる』の短期連載におつきあい頂き、ありがとうございまいした。
 この作品は日頃親しくして頂いているパーラメント・ブルー・三鷹美咲様へのお誕生日プレゼントとして書きました。


「何か、ご希望の設定とかありますか?」とお尋ねしましたら、「ツンデレオヤジ受」とのことで。
 オヤジと言う条件は結局、最後の辺まで引っ張ってしまいましたが、ツンデレはそれなりにクリア出来たかと思いますが、ど、どうだろう?


 当初は、
パターンA:屋敷に当主としてやってきた想いを寄せていた主人の忘れ形見(若い青年)を、執事が厳しく教育。
長じて立派な当主となった時に、執事にプロポーズ(笑)。


パターンB:当主と執事は意識し合いつつも、互いに秘めた片想い。
後継者(妻は離婚か死別)が決まって身軽になった主人が、執事にプロポーズ(笑)。


を考えましたが、どちらも私の作品にありがち。
 どっちを書くか決めかねたこともあり、思い切って二つを足して、プロットを練り直して決定稿に至りました。
 だから書きたかったエピソードがすべて入っています。


 語り手の亀のアレックスですが、なぜ亀か。それは長生きをする動物だからです。
 ペットに視点にしようと思った時、物語の中の時間が15〜20年単位になることから、猫や犬では寿命が尽きてしまうと考えました。
 それで長生き、且つ、適度に行動するペットを探し、亀に決まったわけです。
ヨーロッパ系の季候にも順応し、比較的飼い易い種類でホルスフィールドリクガメにしました。
 いろいろ生態とか調べるうちに、「亀って可愛い」と思わず欲しくなったくらいです(笑)。
 思いのほか、上手く動いてくれるキャラクターに設定出来、自分でもすごくアレックスを気に入ってしまいました。
 おかげで筆は早く進みましたが、その分、字数が増えてしまって、取り掛かるのが遅いせいも手伝い、誕生日を約二ヶ月過ぎてからの脱稿になりました。
 私へのお誕生日プレゼント(『イブよりも大切なこと』コミック版)は早々に頂いてましたのに、美咲さん、本当にお待たせして申し訳ありませんでした。


 お誕生日に相応しく(?)ほのぼのとしたハッピーエンドに仕上がったかと思います。
 楽しんで頂けたら嬉しいです。


紙森けい拝



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