[ Jaune 〜Fidélité〜 ] 




 車は篁の自宅マンションの近くまで来ていた。よく眠っている彼を起こしたくなかったので、まっすぐ車寄せには入らず、路肩に一旦駐車する。
――情けないヤツだ、俺は…。
 暮林は自分の管理能力の低さを情けなく思った。近森がスケジュール管理をしていた頃は、どんなに遅い時間帯になっても、篁が車中で眠る姿を見たことがなかったからだ。

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