あとがき   



 最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
 同じイラスト、同じキャラクターを使ったパラレル時代劇、お楽しみいただけたでしょうか?


 去年の秋にちょっと胃の調子を崩したところから、からどっぷりスランプにはまり込んでしまいまして、プロットは立っているのに、なかなか書く気になれないと言う始末の悪いものでした。
 「もうこのまま、書けなくなってしまうかも」と焦りにまみれていた私を見かね、神永圭さまが「ボタン穴さんのイラストでコラボしませんか?」と誘ってくださったのが、この企画の出発点です。


 幕末物は書いたことありますが、それ以前のどっぷり時代物は書いたことがなく迷いもありましたが、現状を打破したかったのと、何よりボタン穴さまの三枚のイラストがとにかく素敵で、迷いは駆逐されてしまったのでした(笑)
 それにあらかじめキャラクターや時代・背景その他の設定が、神永さんに作って頂ける(すでに既存作品もあり)安心感がありました。


 そして出来上がったのが今回の『孤悲のいろは〜名賀浦秋景〜』でございます。
 前述しましたが、江戸系の時代物って初めてで、ぶっちゃけとても難しかった。
 会話文はもちろんのこと、地の文もある程度時代感を残さないといけないので、使用語彙のチョイスが難題で。
 時代物の手練れでらっしゃる神永さんに色々アドバイスをいただきながら、えっちらおっちら、何とか6月10日前編、17日後編Upの膏薬を貼ることが…じゃなくて、公約を守ることが出来ました。


 今回痛感したことは、イラストの力ってすごいなと言うことです。
 まずイラストが始めにあって、脳にしっかり刻み込んでから書き始めたわけですが、描かれていることは本文で端折ってしまう失敗をやらかしてしまってですね。
 それでなくとも描写少ない性質ですのに、イラストがなければ成立しない作品になってしまいました。
 イラストありきのコラボですので、それはそれでいいのかも知れませんが、神永さんはそこのところがちゃんと端折らず書かれていて、私はまだまだだなと反省しきりです。
 アレ? このあとがき、何だか大反省会になってる?(笑)


 ともあれ『孤悲のいろは〜名賀浦秋景〜』、作者本人には書くことへの刺激になりましたし、とても勉強になった思い入れのある作品となりました。
 読んでくださった皆さんにも楽しんでいただけたら幸いです。


 最後になりましたが、コラボに誘ってくださった神永圭さま、「このイラストで書いてみたい」と思わせてくださったボタン穴さま、ありがとうございました。
 この作品をお二人に捧げます。


2015.06.17  紙森 けい





 
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